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マスト細胞欠損マウス(W/Wv, Sl/Sld)

自己抗体誘導性関節炎が発症しない。
そのマウスにマスト細胞を注入することで関節炎が惹起できるようになる 。
(Lee DM, science 2002)

ブレオマイシン線維化モデルにおいて、皮膚・肺線維化が起きなくなる。
(J Rheumatol 1999)

→関節リウマチや、強皮症などの線維性疾患の病態に
マスト細胞の存在が非常に重要である。

マスト細胞に必須なc-KIT受容体の活性化

イマチニブ(グリベック®)の作用機序

チロシンキナーゼ阻害剤
c-Kit , Abl, Bcr-Abl, PDGF-Rのチロシンキナーゼを選択的に阻害

本邦のイマチニブ(グリベック® )の臨床適応

慢性骨髄性白血病、c-Kit陽性消化管腫瘍、フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病

低用量イマチニブの可能性

シクロホスファミドやメソトレキセートの様に、抗癌剤を自己免疫疾患に応用してきた歴史があるが、これらの薬剤は自己免疫疾患において低用量で効果を示す。
イマチニブを抗癌剤として使用する場合、癌細胞の増殖抑制や細胞死を誘導することが求められるが、正常細胞に与える影響から少なからず副作用が認められる。
マスト細胞の機能抑制作用を狙って使用する場合、イマチニブは低用量で作用する可能性があり、副作用軽減のめにもその検討は重要である。