目的
イマチニブによる自己免疫疾患への臨床応用を目指し、マスト細胞制御療法が可能であるか、低用量でのイマチニブ使用を念頭に、基礎的検討を行う。
方法
イマチニブの臨床用量(CML患者、内服28日目)
200 mg/day, Cmax: 1.12±0.16 ug/ml
400 mg/day, Cmax: 2.14±0.67 ug/ml
600 mg/day, Cmax: 3.94±2.52 ug/ml
800 mg/day, Cmax: 4.73±0.80 ug/ml
→イマチニブ濃度を0.001~10 ug/mlで使用
ヒトマスト細胞:ヒトマスト細胞株(HMC-1)を使用
アポトーシス:Annexin Ⅴ陽性細胞をフローサイトメトリーにて検出
細胞増殖:tetracolor oneを用いた吸光度測定
細胞遊走:SCFによる細胞遊走能をEZ-TAXIScan (CCDカメラによる検出装置)にて評価
表面機能分子:C5aRをフローサイメトリーにて検出
イマチニブによるマスト細胞アポトーシス誘導
0.1 ug/mlより著明なapoptosis誘導作用を認めた
イマチニブによるマスト細胞増殖抑制
抗腫瘍効果としては0.1 ug/ml以上が必要
SCFによるマスト細胞遊走測定法(EZ-TAXIScan)
CCDカメラで継時的に細胞の動きを撮影
移動細胞数を付属の解析ソフトを用いてカウント
SCF 1 ug/ml
イマチニブによるマスト細胞遊走阻害
イマチニブによるマスト細胞C5a受容体発現阻害
抗腫瘍効果が期待できる濃度の1/100でC5aR(アナフィラトキシン受容体)の発現を抑制した